昭和30年代の東京。季節は桜咲く、春。

娘孝子のナレーション。陽子と孝子が土手の桜並木を歩いている。
「私のママ。孫陽子です。なかなかの美人ですが、気は強いです。」
「この人が私のパパ。孫孝民です。中国料理のコックで、腕は最高です。」

孫家に、人だかりが。陽子が入ってみると、2人の警官と孝民が言い争いをしている。
変な匂いがすると、通報があったらしい。
その実、孝民が豆板醤を作っていた。豆板醤とは、空豆から作る味噌のようなもの。
警官が豆板醤を馬鹿にすると、陽子が激怒”する。
ハッと気づいた陽子が、「ナゼこんな時間にいるの?」と聞くと、、「店辞めました。」と孝民。9回目である。オーナーと諍いになり、くびになったそうだ。
{居間}
「わ=!誰?」2人の男。金子と中山、登場。孝民「2人も一緒にくびになったから、ここに置いてくれ。」陽子「それは良いわよ。分かった。」
山根元晴登場。幸一が釣った魚を持って、登場。
警官が、帰ろうとする。すると、陽子が「疑いをかけられたままじゃ、嫌だから。豆板醤を使った料理、食べてって!」そこで、麻婆豆腐登場。陽子が、麻婆豆腐の由来説明。(昔、四川であばたのあるお婆さんが、考えた料理だから。マーは、あばたという意味で、痺れるという意味もある。ぼはお婆さんの意)
警官が美味しいと言って帰ると、山根が「陽子ちゃんの勝ち”」と言う。

孝子「何で家は、居候ばかり来るの?」
陽子「パパがそれだけ慕われてるって事。誇りに思わなくちゃ!もう少しの辛抱よ。パパが自分の店を持つまでのね。」

カナダからの、手紙を見ながら、孝民。「あ〜いいな〜”カナダ!いきたいなぁ〜〜〜。。」
陽子、猛反対。
陽子「今まで働いた分の、給料は?」
孝民「給料はありません。」2人の弟子の、給料の前借分を立て替えたらしい。
それを聞いた陽子は、「いいのよ。」と言うが、表へ出て、実家に電話をする。
が、何も言い出すことが出来なかった。

再び居間にて、豆板醤話。(1年物と、5年ものでは、味も色も違う。赤と黒で、年数のたったほうが辛い。)
「日本人は、目で食べるところがあるから、色は、赤の方が良いね。」と陽子。

日は変わり。陽子の育ての両親が、孫家にやってくる。
養父は、今だ結婚に反対をしているらしい。陽子が孝一に、孝民が帰ってこないように伝えさせに行くが、すれ違い。孝民が帰ってきてしまう。

平蔵に、ナゼいる”と聞かれ、正直に店を辞めた。9回目だと孝民は言う。怒った平蔵は、孫家をあとにする。
帰り際、美佐子が陽子にお金を渡す。その際、孝民が向こうにお金を送っている。という話を、孝子が聞いてしまう。
陽子が、孝民に親の事を話すと、孝民が「親の悪口を、いうては、だめです。わたしには、いません。」と返す。

{中華料理店}
ここからコック姿の、せっきー登場!
沢田&李登場。沢田「社長”酷いじゃないですか!あれっ(言いかける)」
「昨日の今日でチーフ変わったら、ホントどうしたらいいんっすか!」←早口で。
{厨房}
腕組みせっきー、孝民がガス台を使おうとすると、前に立ちはだかる。
孝民「どして、いじわる、しますか。」←沢田に向かって。
沢田「あんたのせいで、前のチーフ、クビになったんだよ!」
金子「そんなの俺達には、関係ないじゃないか!」
沢田「俺達は、前のチーフの言う事だけを聞く。前のチーフが、新しいチーフにこのガス台使わすなって言ったんだ”だから、ここはつかわせるわけに、いかないな。」
掴みかかりそうになるのを、止められながら。金子「どけっていってんじゃねーかよ!!」「社長呼んできます”」
孝民「金子。待ちなさい。」
せっきーアップ。(真面目顔)孝民アップ。
孝民「こっちで、やります。。」
金子「そこは、3番釜ですよ”孫スーフ(師匠)の場所じゃありません!」
孝民「わたしは、とこても、りょうりてきます。」←まだ日本語が上手くないらしい?
料理を作る孝民。(青豆明蝦球=車えびとグリンピースの塩炒め)見守る人々。
孝民「たぺてみてください。」「たべて、みてください。」沢田と李に手渡す。
ふーって感じで、李を見てから食べてみる沢田。
李も食べてみる。
せっきー、こっ”これはっ!って顔をする。
孝民「四川料理、蝦湯通ししません。直接油通します。そっちの方が、お湯に旨味逃げません。これ、わたしの味です。はい”チーフとして、失格ですか?どうですか!?」
厨房を出て行く、沢田と李。孝民、満面の笑顔。

{家}夜。
孝民「わたしのせいで、前のチーフがくぴになた。人間関係。めんとくさぃねぇ〜〜”カナダ。行きたいなぁ〜」
陽子「どこにいったって同じだよ。どこにいったって、面倒臭いもんだよ。」
   「養女に出された時、仕方ない事仕方ない事だったんだけど、寂しい思いしたよ。だから、家族は、一緒にいなくちゃダメだよ!」

{中華料理店}
社長に、四川料理をメニューに入れてくれと頼む、孝民。2人の弟子が遠くから、様子を見ている。
社長「日本人なんか、甘酢あんかけさえ食べさせとけば、あ〜〜、中国料理食った。って気になるんだから。それで良いんだ。だから、ダメだ!余計な事、考えるな。」
孝民「お客ばかにするの、よくないですよ。」小声で、「我慢。我慢。。。」

{飲み屋}
親友の山根と思い出話。山根は、昔台湾で中国料理の店を出していた。その時、近くでもの凄く繁盛していた店に、孝民がいた。引き抜きの為、毎晩のように一緒に飲んだ。しかし、戦争でそれどころではなったらしい。
しきりに、カナダ行きたいなぁ〜〜〜”と言う、孝民。始めは、ダメだよ。と言っていた、山根だったが。。。

{家}
酔って帰って来た二人。「俺達はカナダに行くぞ!男のロマンだ!」
陽子「そんな事いってぇ。ミイラ取りが、ミイラに。敏江さんに怒られるわよ。」
朝。おでこに怪我をした山根。「女房に湯のみをぶつけられた。俺が思うに、あんなにカナダに行きたいって言うのは、日本に孝民さんの腕を活かせる場所が無いからじゃないかな。」
孝一がグローブが破れたと来る。押入れから、裁縫箱を取りに行くと何通もの手紙と1枚の写真を見つける。外に出て行く孝一。

{厨房}
麻婆豆腐を作る孝民。覘く弟子達。そこへ社長がやってくる。
社長「何やってんの?」 後ろの方から、「おはようございます。」の声。これ、たぶんせっきーでは???
孝民「麻婆豆腐です。」社長「なんでそんなもん、つくってんの?」
孝民「メニューにいれてください。食べてみて下さい。」
社長「ダメだって、いったじゃん!ヤダヨ。辛いの嫌いなんだ!」
忘れ物を届けに来た陽子。厨房で争う声が聞こえるので、行ってみる。
社長「ダメだ!四川料理みたいな、誰も知らない田舎料理なんかだしたら、客が離れちゃうでしょ!」
孝民「立派な中国料理です。是非食べてみてから、決めて下さい。」
社長「だから、嫌いだって、言ってるだろ!!」
差し出された、麻婆豆腐を捨ててしまう社長。
全員「あ=====!!!」この時、せっきーは思い切り0の口でした。
社長「こんなもの、バカみたいに辛いだけで、文明人の食うもんじゃないよ!」
後ろの方で、せっきー口に手を当ててる。(パーで)
陽子「パパ!我慢する事無いよ”」社長「誰だあんた。」
陽子「あなたが今捨てた。麻婆豆腐の、女房です!」
「おことばですが、あなた良くそれでオーナーしてますね。文明人の食うもんじゃないぃ”冗談じゃないわよ。四川料理の良さをわからない、あなたの舌の方がどうかしてるのよ。自分の舌を鍛えた方が良いんじゃないの!料理を捨てるような人に、食べ物商売やる資格なんか無いのよ!」社長「なんなんだ、この女。」孝民「なんつった。今。女房バカにするな!」陽子「パパ帰ろ」孝民「ハイッ」
出て行く2人。そして社長。次に弟子2人。
李に合図して、皿に付いた麻婆豆腐の味を、指で舐める沢田と李。
おぉ〜”みたいな顔をして、出ていった方を見る。


{家}
孝民「ごめん。ママ。」陽子「良いのよ。」孝民「さすがママ。やっぱりカナダだ。家族皆で。」陽子「ムリよ」
玄関から、「ごめんくださーーい”孫スーフ。」の声。
沢田&李登場(せっきーは、びっちり中分けの髪型で、茶色のセーターに薄茶チェックのシャツで、手に布の袋?)

せっきー、い”の口で首を出しながら申し訳なさげな表情で、会釈。

{家の外}
孝一「ねーちゃん。親父だよ。うらみてみ。」幼い女の子と孝民が写っている写真を、孝子に見せる。
孝一「どう見たって、親子だよな。」
{居間}
カナダに行く。行くなと言い争う、陽子と孝民。座って、様子を伺う弟子たち。(せっきー、2人を目で追う)
子供達が入ってくる。
孝子「パパ何でいるの。」孝民「店辞めました。ママが辞めろって、言いました。」
沢田指をついて、頭を下げながら「どうも”初めまして。沢田と言います。こっちは、李です。これからお世話になります。」と挨拶。
ビールを飲みながら、皆で食卓を囲んでいる。
沢田「しかし、孫スーフに、こんなに可愛くて、綺麗なお嬢さんがいるなんて、ちょっと驚きました。」
金子「ママ似で、良かったですね。」和気藹々ムード。料理を持ってくる、陽子。孝民「は〜いママ。愛してますよ」
孝子「パパずるいよ!」孝民に写真を渡す。「ホントは、カナダじゃなくて、香港に行きたいんじゃないの!誰よ!」
孝民「娘です。。」孝子「パパ不潔!」 陽子が、孝子を叩く。孝子と孝子に連れられた孝一が家を飛び出す。探しに行く、陽子。
{土手}3人で話す。
陽子「隠してたわけじゃないのよ。パパが日本に来る前、香港で届けは出してないけど、地元の女性と結婚してたの。で、生まれたのが娘のスーチン。その後、香港の店で色々あって、日本に来たの。捨てたんじゃなくて、良く話し合って奥さんと別れて。子供の養育費は、必ず送るって、約束したの。知ったのは、結婚前。パパに「自分は香港に娘がいます。給料半分香港に送るけど、2倍働くから心配ない。結婚してください。」って言われたの。ママね。その時あぁ、正直な人なんだなぁと思ったの。」
孝子「どうしてそうなるか、わかんない。居候の事も、店辞める事も。何だかんだいって、結局許しちゃうし。」
陽子「店を辞められるのは、困るよ。でも、居候の事は、ママがそうしたいの。パパを慕って来てくれたんだから。人が集まるって事は、その家に魅力があるって事だよ。福を運んできてくれる。嬉しい事じゃない”」
{飲み屋}
酒を飲み、クダを巻く孝民。陽子が迎えにくる。陽子「早く店持とうね。」孝民「もう、自信が無くなったよ。」諦めちゃダメだと励ます陽子。
{子供部屋}
兄弟って、事だよね。と2人で話していると、ご飯の良い匂いが。孝子はまだむくれ気味。ご飯の声がかかる。
{居間}
赤い麻婆豆腐登場。
陽子「赤いでしょ。私のアイディア。1年ものの、豆板醤を使った、日本人向けの麻婆豆腐。ラー油と山椒が無い方が、日本人には合うね。」

{昔の回想}2人で栃木の養父母の所に行くが、父に入れてもらえずに帰りの汽車の中で泣く陽子。
孝民「私、ママに麻婆豆腐作ってあげました。ママ泣きながら、食べてました。」陽子「辛かったから。」
孝民「私その時思いました。ママ泣かせた。私のせいね。ママ、かわいそね〜。私との結婚、つらいねぇ。花嫁祝福されなければ。祝福されなかった。私のせい。私思いました。ママ幸せにしなければ、神様の罰当たる。私少し忘れてました。日本で頑張ります。」
陽子「ありがと。パパ。」孝子、泣きながら「パパ。ごめんなさい”」一緒に泣く、孝一。孝子「何であんたまで、ないてんのよ!」
孝一「ないてんじゃないよ。辛いんだよ”」陽子「そうだね。辛いね。でも、おいしいね。」

{娘ナレーション}
我が家の麻婆豆腐は、涙の味がします。ピリリと辛くて、どこかまろやかで癖になる。あったかい、家族の味です。

{一週間後の朝}
陽子「パパがカナダに行っちゃった!パスポートが無いの。」

つづく。。
第1回 「夢はふるさとの味」
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